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				週末を利用して青森に行きました.
				
 まずは弘前に行って,奈良美智+grafの「A to Z」展へ.
 煉瓦倉庫の中に,AからZまでの26の小屋がつくられていて,
 奈良美智はもちろん,いろんなアーティストの作品が展示されています.
 倉庫の大きな空間に,誰でも入れる小屋が並ぶ姿は,
 あたかも人なつっこい町が出現したようで,どんな人も現代美術を楽しめる,
 とても良い展示だったと思います.
 
 それにしても,奈良美智の作品をこれだけまとまった量見たのは初めてだったのですが,
 彼の描く少女は,どこかを凝視していながら,決して鑑賞者と目線を結ぶことのない,
 とても孤独で不幸な少女で,立体の作品になると,そのことがいっそう顕わになります.
 
 小屋を半分くらい回り終えたときには,僕はすっかり奈良美智の作品が怖くなっていて,
 それ以上進むのが辛いほどでした。
 それでも,入場料ももったいないし,結局全部回った訳ですが,,
 A to Zの物語は,涙を流す少女の立体展示を最後に,
 何の希望も見せないまま,唐突に終わってしまいました.
 
 そういうわけで,全体を通じて,人なつこさを偽装しながら,
 鑑賞者の期待を徹底的に裏切ることがこの展示のテーマのように思えたのですが,
 本当のところはどうなんでしょう?
 
 ちなみに,表題は横浜美術館で行われた奈良美智の展覧会のタイトルです.
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